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2011/05/13

 はぐの避妊手術も無事に終わり、金曜日の抜糸を待つのみとなった。

 5月13日の金曜日の午前9時45分、予定通りに病院に到着した。
診察室に入ったのは10時を過ぎた頃だった。いつものように低めに設定された診察台にキャリーバックを載せ、先生がはぐを優しく抱っこして台に下ろす。
 はぐが珍しくキャリーの中でオシッコをしたことを話すと、「はぐちゃんも、何かを感じ取ったんでしょうか」と言われた。
 そういえば、帰りにも同じ道のりでオシッコをしてしまったが、帰りは量が半端ではなかった。帰りはホッとしたオシッコなんだろうな。

 次にはぐに会えたのは当日術後の5時過ぎだった。はぐは病院の殺風景なケージの一番奥の隅っこで小さくなっていた。
 それにしても、本当にはぐはコロに似ている。父が保健所に保護されていたコロを引き取りに行ったとき、コロだけ一番奥の隅っこに引っ込んだという。コロもはぐも、他の犬やうさぎとはちょっと違うんだなと思うと可笑しかった。
 カラーを着けられたはぐは、しばらく私の手にブゥブゥ怒ってはうさパンチを食らわせてきた。
 「なんだ、はぐ、元気じゃない」
 怒る元気があるなら、絶対にはぐは乗り切れると思った。
 結局、その日は閉院の7時過ぎまでナデナデをさせられた。やっぱりはぐは色んな臭いのする場所に置き去りにされて、私に腹を立てていたのだ。
 それで、麻酔から覚めたら変な場所にいた。誰だって不安になる。何度もその気持ちを私に伝えてきたが、最終的にはナデナデに屈してしまったというところだろうか。
 閉院時間になって、私ははぐに「また明日、学校が終わったら会いにくるね」と約束した。また、はぐは怒って横を向いた。
 後ろ髪をひかれる思いで帰宅してからも、何をしていても落ち着かなかった。ご飯を食べていても、お風呂に入っていても、いつも以上に時間が気になった。誰もいないはずの三階から、はぐがかじり木を引っ張る音まで聞こえた気がして、自分でも呆れてしまった。
 これは重症だ。私がこんなんだから、はぐはもっとやり場のない不安にかられているに決まっている。なぜ、自分がいつもの場所にいないのか、理解できるはずもないのだから。
 はぐを連れて来てから初めて別々に過ごす夜。コロが保健所に捕まっていた五日間の事を思い出した。
 コロははぐで、はぐはコロ…性格も、見た目も、眉毛もそっくり…私はいつも茶色い毛の生えた動物に護られて生きている。
 はぐがいない間に、滅多に出来ない大掃除をしようと思っていたが、はぐが帰ってきた時に臭いが消えていたら可哀相なので部屋の掃除だけにしておいた。ベッドの後ろ、机の後ろ、色んな隙間。はぐは色んな場所にいてくれた。今頃、ふて寝でもしている頃かな、と思った。
 はぐのいない静かすぎる朝の眠りが浅い時間、久しぶりに二度も少し大きめの地震があった。いつもなら、「はぐ、地震だね。でも、一緒にいるから大丈夫だよ」と声を掛けてあげているのに、今日はそれも出来ない。いつもとは違う地面に近い場所での地震に、きっとびっくりして真ん丸なおめめが飛び出しているだろうなと思った。
 朝一で病院に電話をしようと思ったがそこをぐっと堪えた。4時に授業が終わると同時に病院への道程を急いだ。急ぐつもりはなかったが、何となく急いでいた。
 ちょうど新宿駅のホームに上がった時、携帯電話が震えた。着信は病院から…これから行く事を知っているはずなのに電話が来るという事ははぐに何かがあったのか…ドキドキしながら電話に出ると、いつもの穏やかな先生の口調で、「術後の経過は悪くないんですが、とにかく食欲も元気もないから、はぐちゃんの精神的なケアのためにも、今日、退院した方がいいかもしれない」と言われた。
 なんだ、やっぱり、はぐには私が必要なんだな。お見舞いに松ぼっくりとかじり木を持って行ってあげようと思っていたのに、そんなのは意味がなかったな。
 「はい、私もはぐと一緒にいてあげたいので、そうさせていただきます」私はすぐにそう応えてさらに急いで電車に乗り込んだ。
 はぐが私が迎えにくるのを待っている。もしかしたら、傷口の痛みよりも、私に会えない心の痛みの方が大きいのかな。やっぱりはぐは甘えん坊さんだなぁ…可愛いな…って、いや、まて…一泊が限界って…っていうか、実際には一泊も出来ないと同じ事だから、私はもう旅行には行かれないってことかっ!…ふふ。まぁ、いいや。今は少しでも早くはぐに会いに行きたいんだから、先の事はまたゆっくり考えればいいか…なんて色んなことを考えていた。
 そうだ。はぐが来てから、私は口で言うほど旅行に行きたいとは思っていない気がする。はぐが旅行の喜びにも勝る幸福感を私に与えてくれている証拠なのかな。
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テーマ : うさぎ
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へたうま

Author:へたうま
夢はうさ飼いさんが集うカフェをオープンすること。少し前まで「へたうま英国人」、今はすっかり「へたうまうさ飼い」気分の筆者が、まんまるうさぎのはぐとの日常を綴りながらも、多分、何でもかんでもうさぎに関連させて趣味に走る気がするブログ……

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